生活習慣病とは

生活習慣病

みなさま、生活習慣病って何だか分かりますか?

ざっくり言いますと、文字通り 「生活習慣によってなる病気」です。
辛いのばっかり食べていると食道がんの 可能性がちょっと高くなる、なんてのもそうですね。
(参考:20200530:みんなに内緒で、開業前にこっそり獄激辛!

でも、一般的に有名な生活習慣病は、 「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」だと思います。
ちょっと順に説明してみたいと思います。
「えーしょっぱいの食べないと死んじゃうー」という方も、 少しだけ覗いて行って頂ければうれしいです。

高血圧

高血圧は、血圧が高くなる病気です。
(そんなの見たら分かるよ!と怒られそうですが)

高血圧が困るのは、血管が圧に負けると 破れて出血する可能性があることです。
それが脳で起こると、命に関わることになってしまう。
今ではだいぶ少なくなりましたが、1960年頃までは 脳血管障害が死因のぶっちぎりのトップだったんです。

なぜ脳血管障害が少なくなってきたのか。 いいお薬ができたから!ではありません。
それこそ日本人の「生活習慣」が変わったからです。

どういうわけか、血圧は塩分をたくさん取ると 徐々に上がってくることが知られています。
日本は海に囲まれていて塩が手に入りやすく、 それが食べ物の保存に主に使われていたので 血圧が高くなる方が多かったんですね。世界と比べても。

その状況を見て、国を上げて塩分摂取を減らそうと 努力してきて、今の長寿大国ニッポンが生まれたのです!

血圧が高くなるのを防ぐには、まず塩分を控えましょう。 実は日本って、まだ世界水準より塩分摂取多いんですよ。

塩分ひかえて、味付けはどうするか。
王道は、しっかりダシをとって味付けすることと言われますが、 唐辛子の辛味や、レモン汁などをうまく使ってもいいです。
唐辛子なんて超血圧上げそうですが、そんなことないそうです。

どうしてもしょっぱい味噌汁飲まないと辛い! そういう場合は、味噌汁の量を半分にしましょう。
ラーメンの汁は飲まないで!とも言われますよね。
トータルの塩の摂取量を、抑えればいいのですから。

それでもどうしても、血圧が高い場合は、 ぜひ病院で相談して下さい。長く健康でいるために!

糖尿病

糖尿病は、血管の中を移動している栄養分(糖分)が ちゃんと細胞に取り込まれない病態です。
あまりに血糖が高いと、おしっこにも糖が漏れ出てしまうので 血液検査のない昔は、おしっこが甘い匂いになって 初めて気づいたので、糖尿病って言われるようになったんですね。

血糖が高くなると、高くなった血液内の糖分が血管を傷つける反面、 血液が栄養するはずの細胞の方は、飢餓状態に近くなってきます。
血糖高いのに、疲れやすい、となるわけですね。

血管の中の糖分を、細胞の中に入れてあげるために 必要なのが「インスリン」です。
だから糖尿病になると、インスリン注射をするんです。

血管の中の糖分が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、 それが長く続くと、血管が傷んできます。
目の血管が傷むと失明しますし、 腎臓の血管が傷むと透析になるし、 足の末梢の血管が傷むと神経障害で足の怪我が気づかれにくく、 足を切断することになります。
昔はこれを三大合併症と言っていました。
でも三大合併症以外にも、体のあちこちに負担がかかっているのです。
だからやっぱり、血糖は下げないといけません。

昔の薬は、血糖が下がりすぎて低血糖になったりが 時々ありましたが、最近の薬はだいぶ少なくなってきました。
だからとにかく、軽いうちに薬を飲むようにして、 血管が傷つかないようにして頂ければと思います。

ちなみにどうして、血糖が高くなる(細胞に糖が取り込まれない)のか。
それは長年の糖分過多で、細胞が糖を取り込む能力が 弱くなって来てしまうからです。(※例外もあります!!!)
だから、日頃の生活で特に心がけないといけないのは、 食べすぎないことと、運動をする(=細胞の代謝を上げる)ことです。
できることなら、体質改善で糖尿病を予防・治療したいですよね。

ここで注意しないといけないのは、「粗食」は必ずしもよくありません。
「肉は食べないで、米が多いのに」「うどんやそうめんばかりなのに」 …実は、麺・パン・ごはんは炭水化物なので、 体の中に入ると、全部糖に変換されてしまうのです。
(※実際うどん県で有名な香川県は、糖尿病ワースト県としても 知られていて、対策が練られています)

日本人は炭水化物が多めで、タンパク質摂取が少ないと言われます。
豆類や魚(時に肉も)などのタンパク質を意識して摂取しましょう。
あとは野菜!ただ、野菜でもイモやかぼちゃ、にんじん、れんこんは 実は炭水化物が主成分と言われます。
もちろんニンジンのβカロテンとかは大事なので摂りたいのですが、 バランスには注意が必要ですね。

栄養管理で世界的に使われるものの一つとして、 ワンプレート法というのがあります。
一つのお皿の中で、4分の1を白い物(炭水化物)
4分の1は肉とか豆とかタンパク質類 (※多くの場合、タンパク質には脂質もくっついてきちゃう)
残りのうち、4分の1は温野菜、4分の1はサラダとすると、 比較的栄養バランスが良くなるというものです。
・・・いや別に、一つのお皿にする必要はないですが、 考え方として、取り入れてもいいのではないでしょうか?

高脂血症(脂質異常症)

高脂血症というのは、血液中のあぶら分が多い状態です。
コレステロールとか、中性脂肪が高いってやつですが、 放っておくと、こちらも血管を傷めてしまいます。

血管って、若い頃は弾力性のあるゴムみたいなものですが、 年齢を重ねると(特に40歳を過ぎる頃から) ゴムの劣化と同じく、だんだん硬く、もろくなってきます。
(そうは言っても何十年もちゃんと機能しているんだから、 人間の体ってすごいなと改めて思わされます。)
この劣化が、血液中のあぶら分が多いと、進みやすいのです。

血管が破れやすくなるとどうなるか。
やはり脳出血が起こりやすくなります。
また血管が硬くなると、それ自体が血圧を高くしますし、 血管の内側が狭くなったりするので、 心筋梗塞とかも起こりやすくなってきます。

高脂血症を防ぐには、やはりカロリー摂取に気をつけること、 あとは運動をすることです。
そもそも高脂血症が長く続くと、糖尿病も併発しやすいです。
「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」は、なんだかんだ お互いつながって起こりやすかったりもするんですね。

気をつけないといけないのは、女性はホルモンの関係で 高脂血症になりやすいこと!
これは体質なので、あまり気にしすぎることではないですが、 やはり年に1回は定期的に健康診断を受けて、 自分の健康状態を知っておくことが大切です。
車だって、10万とかかけて車検に出すのでしょうが、 健康診断は、もっと安く受けられるのですから。

高脂血症の一番の治療は、食事管理と運動ですが、 それでも体質的に高くなりやすい方もいますので、 一度値が高くなったら、ぜひ医師に見てもらい、 場合によっては薬の相談もして頂ければと思います。

最後に、いや好きなように生きて、ピンピンコロリで いければいいんだ!という方もいると思いますが、 残念ながら、人間そう簡単にはいきません。
車と同じで、早め早めにできる限りで体を大事にして、 お迎えがくるまでは、ぜひ少しでも長く元気に過ごしてほしい、 そのように願っています。